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UNCOLORED WEEKLY MAGAZINEは、クラフトカルチャーを軸に、世界中を独自取材し、次の時代のヒントを見つけるためのカルチャーマガジンです。
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Hello everyone. LAに来ています。30年前ドッグタウンの空気が残るこの街に住み、クロムハーツのスタートやカリフォルニアキュイジーヌの世界、CGやInternetの前夜祭に触れていました。 さて、今のLAにはどんな街になっているのでしょうか? それでは、LA特集スタートします。 |
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| LA特集 〜ユニークさを見つける旅〜 |
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久しぶりのLAは、カリフォルニアの眩しい太陽と、乾いた心地よい風が僕を出迎えてくれた。 今回LAに来たのには理由がある。僕が個人的に気になっているテーマを追いかけていると、最近どういうわけか、ことごとくこの街に行き着くのだ。 このメルマガでも何度か取り上げている「レストモッド」はもちろんのこと、僕が「BLUE SIX COFFEE」を立ち上げる際に参考にしたコーヒーロースター、さらには書店を巡る「ブッククロール」や、著者と歩きながら語り合う「ウォーキング・ブッククラブ」といったカルチャーも、今まさにロサンゼルスを中心に広がっている。 そんな、新しいカルチャーが次々と生まれるLAに、本物のユニークさとは何かを、リサーチしにやってきた。 最初の目的地はとあるガレージ。早朝の撮影からこの旅は始まった。 |
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70年代のポルシェ・Fシリーズで颯爽と現れたのは、エンジニアであり、ガレージのオーナー兼ビルダーのKarl Wesson(カール・ウェッソン)だ。 彼はただの車好きではない。普段は「スペースX」でロケットエンジンを開発する現役のエンジニアでありながら、車好きが高じてディフェンダー専門のカスタムメイド・ガレージ「Coastline(コーストライン)」を立ち上げた凄腕のビルダーなのだ。 イギリス車を愛好していた両親の影響を色濃く受けた彼は、最先端の宇宙工学とクラシックカーの世界を軽やかに行き来している。 |
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ガレージには、カスタム中のディフェンダーが6台並んでいた。これからエンジンが組み込まれる骨組みだけのものから、まさに納車直前の美しい仕上がりのものまで、現場の熱気が伝わってくる。 今回は、その納車直前のディフェンダー110に乗り込み、LA市内のガレージからパシフィック・コースト・ハイウェイ(PCH)を抜け、マリブの山を登る約3時間のテストドライブへと繰り出した。 |
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| 予期せぬポリスストップと「レストモッド」の真髄 |
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走り出して早々、アクシデントは起きた。 テスト走行のためナンバープレートを付けていなかったことで、ハイウェイパトロールに止められてしまったのだ。一瞬の緊張が走る。 しかし、カールが「これはテストドライブなんだ」とボンネットを開けた瞬間、警察官の目の色がガラリと変わった。 「おい、このクラシックなツラで、なんだこのスムーズな加速はと思ったら……この新しいエンジンを積んでいるからか!」 |
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そこからはもう、取り締まりではなくただの車好き同士の会話だ。「これは何年式だ?」「どうやって組み上げた?」と、まさかの質問攻めに遭うこととなった。 そう、これこそが「レストモッド」の力だ。 このランドローバー・ディフェンダーは、90年代の無骨でクラシックな外観そのままに、内部には最新のV8ターボエンジンを搭載し、サスペンションもインテリアも全てが現代の技術でフルカスタムされている。 クラシックカーの最大の弱点といえば、「すぐ壊れる」、「部品が見つからない」というメンテナンスの呪縛だ。しかし、中身を丸ごと最新にアップデートするレストモッドの世界は、その問題を鮮やかに解決してみせた。中身は新品だから壊れにくい。 |
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| ファルコン・ロケットと自作の「iPhoneタコメーター」 |
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助手席で体験するその走りは、外観の無骨さからは想像もつかないほど洗練されていた。V8ターボのエンジン音は拍子抜けするほど静かで、走り出しも加速もシルクのように滑らかだ。 道中、その魔法のようなセッティングについて助手席からあれこれ質問していると、カールは笑いながらこう答えた。 「スペースXのファルコン・ロケットのエンジンに比べたら、ずっとシンプルで簡単な構造さ」 宇宙を見つめる男が組み上げた、地上を這う四駆。そのギャップがたまらない。 さらに面白いのが、現代のテクノロジーとの融合だ。車内に立派な最新型のカーステレオは付いていない。代わりに前列シートの間に置かれているのはMarshall(マーシャル)のスピーカーで、そこにiPhoneを繋いでお気に入りのプレイリストを爆音で流す。 |
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そして、このiPhoneの役割は音楽だけではない。旧型のディフェンダーには元々タコメーターが付いていないのだが、彼が開発した専用のアプリを開くと、エンジンとリンクしてiPhone上にタコメーターが現れ、回転数や時速がリアルタイムで表示されるのだ。 無骨なダッシュボードの景観を崩すことなく、必要なデータは自作のアプリで補う。敏腕エンジニアは何でも自分で作ってしまうという事実に、ただただ唸らされる。クラシックな旧車に乗っているのか、最新鋭の新車に乗っているのか。その境界線が曖昧になる不思議で面白い感覚こそが、レストモッドの醍醐味なのだろう。 |
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| 二人の「狂信者」とディフェンダーの引力 |
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ここで、別の角度からディフェンダーに魅せられた人物の話をしたい。イギリスの新興自動車メーカー「INEOS Automotive(イネオス・オートモーティブ)」だ。 創業者は、ジム・ラトクリフ(英国有数の富豪であり、大手化学メーカーINEOS Groupオーナー)。旧型ディフェンダーの熱狂的ファンだった彼が、生産終了を嘆き、製造権の譲渡をランドローバー社に打診。それを断られたことで「ならば自分で後継車を作ってやる」と決意し、2017年に自動車メーカーを作ってしまった。 主力モデルのGrenadier(グレナディア)は、BMW製直列6気筒ターボエンジン、ラダーフレーム、前後リジッドアクスルを採用している、旧型ディフェンダーの「精神」を現代に受け継ぐ本格オフロードSUVである。 スペースXのカールも、大富豪のラトクリフも、ディフェンダーという車の持つ魔力に当てられ、自らガレージや会社を立ち上げるほどにハマッてしまった。 AI時代に求められる「手触りのあるユニークさ」 彼らをここまで駆り立てたものは何か。その根源にあるのは、圧倒的な「ユニークさ(唯一無二の個性)」だと思うのだ。 |
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ビジネスの世界でも「差別化」という言葉が常識のように使われてきたが、これからの時代、その意味合いは少し変わってくる。AIが効率化と最適解を瞬時に弾き出す現代だからこそ、論理を超えたこの泥臭い「ユニークさ」を身につけ、発揮することが強烈な価値を持つ。僕が今、この特集を組んでいる理由もそこにある。 YouTubeのアルゴリズムに評価されるためだけに、過激なサムネイルや表面的なハックを追い求めても、そこに「中身(魂)」がなければいずれ終わってしまう道である。 最先端のロケットエンジニアが、あえて油にまみれて古いディフェンダーに最新の命を吹き込む。このレストモッドに代表されるユニークで偏愛的な取り組みは、今はまだ一部の熱狂かもしれない。しかし、こうした代替不可能な手触りのある熱量こそが、やがて形を変え、時代を動かす本質として僕らの元に降りてくるはずだ。 15年前、ジャングルの奥地まで、どこにもないカカオを採りに行き、1枚1500円もするチョコレートを作った。そんなものは誰も買わないと言われてきたが、今の値段は2000円を超え、世界中のどこに持っていっても大変好評だ。 |
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| 今回のLA特集。この後、どんな「本物のユニークさ」と出会えるか、次回に続く! |
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外国に来ると、まずはステーキを食べてPowerをつけます。 日本の大学生はお米をたくさん食べ、アメリカの大学生はステーキをたくさん食べる。 まずその差が大きいという話を、LAで聞きました。 Have a good weekend!! |
| 続きの写真や、日々のことはInstagramにて。 |
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